荒れた時の理由探し:外国人騎手・マンハッタンカフェ産駒 ~エリザベス女王杯

今年のエリザベス女王杯は、宝塚記念を制したマリアライトと、昨年の牝馬2冠馬ミッキークイーンの2強に、府中牝Sを勝ったクイーンズリングや昨年3着のタッチングスピーチ以下が挑むという図式でした。
とはいえ、マリアライトはG1 2勝がともにやや重で良の時計勝負に、またミッキークイーンはねん挫で予定していた京都大賞典を使えずヴィクトリアMからの半年の休み明けにと、それぞれ不安を抱えての出走となりました。それが、ともに単勝3倍台という微妙な評価になったのでしょう。

その結果、ミッキークイーンは外から鋭く迫ったものの3着、マリアライトは不利もあって伸びきれず6着と、ともに連対を外すことになりました。
勝ったのは3番人気のクイーンズリング。中団から内を突いて、1番の上り33.2で差し切りました。そして2着が12番人気のシングウィズジョイ。スローを先行して直線で抜け出し、ゴール直前まで粘りましたが、最後はクイーンズリングの切れに屈しました。

個人的にクイーンズリングはかなりの力の持ち主という印象があったので注目していたのですが、シングウィズジョイはまったくのノーマークでした。3歳時にフローラSを先行抜け出しで制したものの、その後はオークス17着、秋華賞10着など重賞で2桁着順を繰り返し、昨年末にマイルのターコイズSを勝ったものの、良績はそれだけという存在でした。ルメール騎手に乗り替わったことが、唯一気になったものの、それだけでは買えませんでした。

騎手が決まる過程というのは、一般人からはなかなか伺えないものですが、少なくともリーディング上位の騎手に頼む際は、まったく勝負にならない馬は頼みにくいと聞いたことがあります。ルメール騎手といえば、先週1日8勝して、リーディングトップの戸崎騎手に一気に追いつき、今年もリーディングを伺うトップジョッキー。いかに有力馬を多く抱える友道厩舎とはいえ、望みのない馬は頼まないでしょう。そういう意味では、厩舎サイドでは変わり身を感じて、スローが予想されるメンバー構成から、十分勝負になると踏んでいたのかもしれません。
終わってみれば、全国リーディング3位のM.デムーロ騎手と、2位のルメール騎手の組み合わせで馬連万馬券。騎手だけ(!)で選べば、実に簡単な馬券だったわけです。

そして上位2頭の共通点は、ともにマンハッタンカフェ産駒ということ。サンデーサイレンスを父に持つ種牡馬として、そこそこの活躍馬を出している印象はありますが、ディープインパクトやステイゴールド、ネオユニヴァース、ハーツクライなどに比べると、少し地味な感じがします。

特によく聞かれるのが、G1勝ちの産駒が少ないということ。JRAのG1では、ジョーカプチーノ(2009年 NHKマイルC)、レッドディザイア(2009年 秋華賞)、ヒルノダムール(2011年 天皇賞(春))、グレープブランデー(2013年 フェブラリーS)、そして今日のクイーンズリングのわずか5頭しかいません。しかもクラシック勝ちはなく、旧8大競争では 天皇賞(春)の1勝のみ。

またマンハッタンカフェ自身は菊花賞を勝っているにもかかわらず、産駒は意外と距離が伸びてよくないイメージもあります。
天皇賞(春)を勝ったヒルノダムールはいますが、短距離からマイルで活躍したジョーカプチーノ、ガルボや、1800mで強いけど距離伸びて今一つのルージュバックなどの印象が強いせいかもしれません。
実際に産駒の芝での平均勝ち距離は1700m台と、万能のディープインパクトとは同じぐらいですが、ステイゴールドやハーツクライに比べると、少し短いのは事実です。

3コーナーの坂超えがある外回りの京都芝2200mは、ある程度のスタミナも要求されるので、芝1800mまでしか勝ちのないクイーンズリングは距離不安もささやかれました。しかし終わってみれば、まったく距離の不安を感じさせない鮮やかな勝ち方。しかもシングウィズジョイも2着に粘ったことで、マンハッタンカフェ産駒の個人的な評価を、少し変える必要があるでしょう。

しかしこればかりは、レースが終わって初めてわかること。今後の予想に生かすようにしたいものです。

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