モーリスのすごさを再認識しました ~天皇賞(秋)

今年の天皇賞(秋)は、オッズから見れば混戦という評価が妥当でしょう。1番人気のモーリスの単勝オッズは最終的に3.6倍で、1桁人気が4頭、20倍以下が半分近い7頭。またモーリスも今日の午前中まではエイシンヒカリに次ぐ2番人気でした。
その大きな原因の一つは、やはりモーリス=マイラーという印象が強く、2000mは長いのではないかと思われたことでしょう。たしかに昨年5連勝で安田記念、マイルCSと制したときも、4勝は1600mで残る1勝は1800m。さらに香港でマイルG1を連勝し、連覇を狙った安田記念は2着に敗れましたが、ほぼマイルのみで活躍してきました。

そんなモーリスですが、実は3歳までは500万を勝っただけの並みの馬(!)でした。栗東の吉田厩舎からデビューしたモーリスは新馬を快勝した後、いきなり京王杯2歳Sにムーア騎乗で挑戦し、1番人気に支持されるも6着。3戦目に500万を勝つと、クラシックを狙ってシンザン記念、スプリングS、京都新聞杯と重賞に出るも、5,4,7着に終わり、クラシック戦線に乗ることはかないませんでした。

その後OP白百合S3着を最後に、美浦の堀厩舎に転厩します。そして4歳1月の1000万下若潮賞から連勝が始まるのです。その転厩後、今日の天皇賞(秋)までの成績が、香港のレースも含めて8・2・0・0。
1000万から国内G1、さらに国際G1まで、7連勝を記録したのです。まさに3歳までとは別の馬のようです。

そのモーリスが安田記念で2着に敗れて連勝が途切れたあと、休み明けで出てきたのが、札幌芝2000mのG2札幌記念。その時点で陣営は天皇賞(秋)への挑戦を考えていたのでしょう。7着に敗れた京都新聞杯以来生涯2度目の2000m以上のレースでしたが、マイル路線とはいえ圧倒的な成績から1番人気に支持されました。
レースは同厩のネオリアリズムの絶妙の逃げを捉えられず2着に敗れたものの、力のいる洋芝の2000mをクリアして距離のめどが立ったこともあり、天皇賞(秋)に駒を進めます。

しかし札幌記念で2着とはいえ敗れたことで、距離への不安を完全に払拭できたわけではないことが、今日の微妙なオッズになったのでしょう。
レースは、エイシンヒカリが1000m1.00.8の平均ペースで逃げます。モーリスは中団の外を折り合って進むと、徐々にポジションを上げていって、4コーナーは5,6番手の外。直線に入って追い出すとジリジリと伸びて、残り200mで先頭。そこから力強く抜け出すと、後方から追い込んできたリアルスティールに1 1/2差をつける完勝。
距離不安の声をあざ笑うような圧勝でした。

以前から東京のマイルをこなせれば、2000mは勝てると言われており、実際にニッポーテイオーやヤマニンゼファー、アグネスデジタル、ウオッカなどが安田記念と天皇賞(秋)の両方を勝っています(ヤマニンゼファー以外は安田記念の前に2000m以上のG1を勝っていたので距離不安云々はなかったのですが)。そのため個人的にはあまり距離の不安は感じていなかったのですが、その勝ち方は予想を上回るものでした。

今日のレースが国内では最後と言われており、あとは香港Cを目指すようですが、そこも勝てばさらに種牡馬としての価値も上がるでしょう。スクリーンヒーロー×カーネギーというやや地味(?)な血統から、こんなに強い馬が出るのは少し意外ですが、それもブラッドスポーツ競馬の魅力といえるのでしょう。

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