一筋縄ではいかないけど、モーリスの強さも再認識 ~安田記念

安田記念と言えば昔から荒れるレースとして名高いのですが、今年はモーリスという強い中心馬がいて、そのせいか12頭立てと頭数も少なく、いよいよ平穏に終わるかと思いましたが、やはりそうはいきませんでした。

勝ったのは単勝8番人気(36.9倍)のロゴタイプ。
その成績を振り返ってみます。まず2歳の朝日杯FSは7番人気ながら先行して人気のコディーノを抑えて1着。3歳になって、そのままスプリングSも勝つと、皐月賞は1番人気に応えてエピファネイアを1/2馬身抑えて優勝し、G1 2勝目を飾りました。
しかし2番人気の日本ダービーはキズナの5着に敗れ、そこから長い低迷が始まります。
3歳夏に札幌記念に出走して5着となると、その年は全休。4歳時は初戦の中山記念こそ3着と好走するも、その後ドバイ遠征も含めて4戦して6着が最高。5歳時は中山金杯、中山記念ともに2着、富士S3着と好走するも未勝利。
そして今年、中山記念はドゥラメンテの7着に敗れたものの、ダービー卿CTは58kgを背負って勝ちに等しい2着。ところがダービー卿CTから安田記念好走したのは、昨年のモーリスだけということもあり、安田記念では伏兵扱いでした。

その勝因はいろいろあるでしょうが、まずは体調がよかったということがあるのでしょう。これは厩舎関係者の方が言っていますが、レースを見ていても坂を上がってからモーリス以下を突き放しており、並みの逃げ馬にできる芸当ではありません。
そしてやはり、うまくマイペースで逃げることができたのが大きいと思います。逃げた馬に33.9で上がられては、後続の馬に出番はありません。
そしてなんといっても、その逃げを演出した田辺騎手のペースの読みがあったと思います。田辺騎手と言えば、2014年のフェブラリーSで16番人気のコパノリッキーを絶妙のペース配分で2番手から先頭に立たせ、ホッコータルマエ、ベルシャザールの追撃を抑えて初G1制覇を飾ったことが印象に残っていますが、まさに今年の安田記念もその面目躍如という感じでした。

そのロゴタイプのパフォーマンスに負けず劣らず印象的だったのは、やはりモーリスの強さでしょう。
モーリスはスタート直後は中団にいたものの、すぐに行きたがり、懸命にT.ベリー騎手が抑えるものの掛かってしまい、逃げるロゴタイプの直後まで行ってしまいます。その後も、うまく折り合ってスムーズに進むロゴタイプに対して、懸命に抑え込むベリー騎手の体が激しく上下するモーリス。その状況は4コーナーまで続きます。
さすがにここまで掛かると体力を消耗するし、気力もそがれるでしょうから、もしかしてモーリスの大敗もあるのではと思いました。

直線に入ってモーリスは馬場中央に持ち出し、内ラチ沿いで逃げ込みを図るロゴタイプを懸命に追いますが、その差は詰まらず、逆に坂を上って広げられます。モーリスもここまでかと思いましたが、直後で追っていたディサイファやリアルスティールの手ごたえが先に悪くなり後退。代わってフィエロやサトノアラジンが迫ってくるも追いつくまでは至らず。結局ロゴタイプは交わせなかったものの、2着は死守しました。

強い馬の条件として大敗しないこと、最低でも連対は守るというのはあると思います。単勝1.7倍の支持に対する責任として、2着は最低条件といえるでしょう。その意味で、あの状況で2着を守ったのはすごいと思います。もちろん世界レベルのマイラーとしては、ここで負けてほしくはなかったですが・・・。
悪条件の中でここまで走ったことはすばらしいですが、弱点というか問題点も明らかになりました。モーリスがこれから何を目標にするのかはわかりませんが、世界に誇れるマイラーとなれるよう、さらなる高みを目指して欲しいと思います。

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